恋しさと切なさと心強さと。 #1


最初の頃は普通の方だと思っていた。
だけど、やっぱり痴呆症なのだと分かった。

自分のことを送迎ドライバーとして顔を認識してくれて、良く会話をするようになった。
でも、同時に日々通所されているのではなく、ズーッと通しで宿泊していることを知った。

いつも出入り口付近の窓際に座っていて、朝の送迎で事業所へ行けばシャッターを開けて欲しい、ドアは開けっ放ししていて欲しいと。
だけど、出て行ってしまうので、開けっ放しだダメだと職員の方に後から教わった。

夕方の送迎で事業所へ行けば、、、

「国道 16 号を通る?」

と尋ねられ、

「残念だけど、国道 16 号は通らないんです。」

と答える。

「国道 16 号を通るのなら、乗っけてもらって帰れるのだけどね。」
そして、座っている椅子の下には、「持ち帰る荷物なのよ。」と言うコンビニの袋。

「面接をしてくれる人が迎えに来るの。」
「クルマをそこに停めると、迎えのクルマが停められない。」
段々と、理解できない会話の領域が始まる。

暫くしてから、これらの遣り取りが毎回繰り返されることを知った。
そして、一度も送られない状況だと。
夕方の送り業務が長引いた時、事業所に戻れば既にベッドで寝てしまっている。
翌日には、また同じ遣り取りが繰り返される。

 

何か切ないね。。。


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